トイレを究める㊤
水洗トイレがほぼ当たり前となった日本で、使う人はどんな「清潔」や「快適」の機能を求めているのだろう。
衛生陶器の2大メーカー、TOTOと「INAX」ブランドのLIXILはいま、トイレ掃除の負担を減らす技術開発にしのぎを削る。焦点を当てるのは、「トイレで汚れが気になるところ」を尋ねる調査で上位の常連となる、便器内や便器のふち裏、便座裏だ。
TOTOは、「霧」で活路を見いだした。
温水洗浄便座「ウォシュレット」の開発部にいる野越勇介さん(39)は、2022年8月から入った新機能「便座きれい」を手がけた。跳びはねた尿がこびりつくことの多い便座裏に、「お客さまのきれいにしたいというニーズに応えるような清潔の機能が、これまではなかった」と話す。
水道水を電気分解してつくる…